このブログでわかること
この記事は、
✔ 管理職候補となりそうな人で、選抜型研修に呼び出された人
✔ これから受ける昇進・昇格試験として「インバスケット・ゲーム」が採用されていることが分かっている人
におすすめです。
この記事では、僕がこの試験をパスした時に使った市販の参考書や演習用の問題集とこれを使ったトレーニング方法、そして実際のインバスケット・ゲームの受け方を具体的に説明しています。
したがって、インバスケット・ゲームによる昇進・昇格を万全に対策できるため、この試験をパスする確率が大幅にアップします。
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管理職への昇進・昇格試験を受けた職場の先輩から
「なんかたくさん手紙を渡されて、いろいろ手紙で指示をするんだ。全然時間がなくて、結局全部処理できなかったんだ」
ということを聞いたことがあったらそれは「インバスケット・ゲーム」かもしれません。
かなりハードな試験ですので、しっかりとした事前に準備と対策をしておかないと、どんなに優秀な人でも簡単に落ちてしまいます。
逆に言えば、正しい準備と対策さえしておけば他の昇格候補者から数歩先んじることができます。
一方で、インバスケット・ゲームを練習すると、あなたのビジネス上の緊急時対応能力が飛躍的に向上するので、ビジネスパーソンとしてのスキルアップ目的にも有効です。
なぜ僕がここまでインバスケット・ゲームについて語ることができるのか・・
それは、一度昇格試験に落ちてしまったがために、幸いにも(?)二度受けることができたからです(^^)。
二度目は十分な準備と対策を講じることができたので、無事クリアすることができました。
また最近になって、インバスケット・ゲームの対策を提供する会社が数社か登場してきました。
普段からこういった研修サービスを利用して、自身のビジネススキルを上げておくことは有効です。
しかし、この昇進・昇格試験を受けることがわかるのは突然です。
早くても、試験の直前1ヵ月ほど前。
研修サービス会社と契約して、講習を受けて、演習をして、フィードバックを受けて・・・
そんな時間的余裕があるはずがありません!
もちろん数万円の高い受講料も必要です・
運よく(?)2回もこの考査を受けることになった僕がやった対策を元に、おすすめの問題集を使った演習をするだけで、有償の研修を受けるよりもはるかに安価かつ最短でこの試験をパスできるようになるはずです。
\インバスケットを受けるなら/
用意しておくべき演習用おすすめ問題集3選
インスケット・ゲームとは?

インバスケット・ゲームはもともと米軍の訓練として開発されたそうです。
近年になり企業の研修ツールとして応用され始め、特に日本では管理職層の研修や昇格試験にも用いられるようになりました。
あまりメジャー試験ではないので、なんとなく参加する人がほとんどです。
でもそれでは、戦場に武器も防弾チョッキもなく迷い込んでしまうようなもの。
事前の準備してないと、ポロリと狭い昇進コースから転げ落ちてしまいます。
ちなみに、「インバスケット」とは「未決箱」という意味です。
今の若い人はイメージがつかないかもしれませんが、処理済みの書類と未処理書類を分類するやファイルボックスのことです。
でもきっと、この説明だけでは、何のことかわからないですよね・・・
もうちょっと具体的に説明します。
インバスケット・ゲームは、皆さんが架空の新任マネジャーになりきって、切羽詰まった状況の中で多数の案件を的確に処理できるかを評価する非常にタフな試験・アセスメントです。
あなたが厳しい状況に置かれたときを想定した模擬訓練・ケーススタディなのです。
実際の試験では、架空のマネジャーが置かれた状況 (所属する企業の状況、組織図、当該マネジャーが現在置かれている状況など) を説明する書類、部下や上司からのEメールのコピーやメモなど ( 20 件前後) とEメールの代わりの便せんと封筒と案件処理シート、そしてメモ用紙が配布され ます。
あなたはその架空のマネジャーに扮して、それらの案件を制限時間 ( 60 分間が多い) の間にすべて処理 (手紙を書き、案件処理シートに記録) しなければななりません。
多くの場合、あなたが突然、新任のマネジャーとして十分な引き継ぎもなく、60分後に海外主張や連絡の取れない場所へ行かなくてはならい、といった状況が設定されます。
案件としては、ビジネス上のトラブルから、コンプライアンスに関するもの、部下からの悩みや通報、顧客からの苦情など、すぐには解決できそうもないたいへん困ったものばかりです。
処理方法としては、部下や上司への指示・依頼でこれを、指示書に書き込み宛先を書いて封筒に入れます。
読んでおきたい参考書
こちらの書籍は、インバスケット・ゲームを企画する人事担当向けの専門書なので、内容を完全に理解することが難しいかもしれません。
しかし、評価する人事部側の意図を知ることで、この研修にどう臨めば良いのかわかります。
昇格・昇進候補者に上り詰めるには、一読すべきものです。
タイアップ
インバスケット・ゲームの演習・トレーニング方法とおすすめ問題集
それでは、具体的な事前準備とトレーニング方法を見ていきましょう。
演習用おすすめ問題集
上の参考書でも演習問題が掲載されてはいますが、トレーニング・演習のための問題集を用意してください。
短い試験時間で全ての課題をやり遂げるのが、高い評価を受けるには最も重要です。
そのためには、数をこなして慣れて処理スピードを上げるのが重要です。
こちらの書籍のうち2つは用意しておいた方が安心です。
タイアップ
本番全体の流れと事前準備・練習方法
先にも述べた通り、インバスケットゲームは極度にバードな試験です。
ほとんどの受験者は、制限時間内にすべての案件を処理することができません。
上の書籍の見てもわかるように、登場するマネジャーの業界や周辺の状況がちがっていてもが違っていてもそれぞれの演習問題の案件には、ビジネス上のトラブル、コンプライアンスに関するもの、部下からの悩みや通報、顧客からの苦情などの共通するパターンが多くあります。
ですので、上にある演習問題を使って、パータンごとの処理例を考えておきましょう。
目標は時間内に20件すべてを処理できるようになることと、どんなケースでも以下のプロセスを踏めるようになることです。
実際のインバスケット・ゲームで案件処理を進める基本的な流れは以下の通りです。
プロセスをマスターすることで、本番の試験ですべての案件を時間内に的確に終えられるようにトレーニングしてください。
- 状況説明文と関連資料をよく読む
- 課題案件の20件を読んで概要を確認する
- 緊急度x重要度のマトリクスにいったんプロットしてみる
- 案件を分類する
- 案件の間の関連性を検討する
- ④⑤を踏まえて、緊急度x重要度のマトリクスを見直す
- 優先順に各案件に対して手紙と案件処理シートを書き進める
指示書 (手紙) には宛先、そして具体的な指示を書き込みます。
案件処理シートには指示の概要とその処理を判断した理由を記入します。
でも実際のところ、60分の間に全ての問題を完璧に読み込んで、これらを手紙と案件処理シートを書ききるのは難しいです。
中途半端な処理にならざるを得ないです。
評価者が最低限処理の内容をわかるように、どのように書けばよいのかも含めて練習するしかありません。
箇条書き、体言止めで構わないと思います。
決して丁寧に書くことを評価する試験ではありませんので。
状況説明文と関連資料をよく読む
配布される状況説明文と組織図などの関連資料(ここでは演習用書籍ですが)を、大事そうなところにアンダーラインを引きながらよく読んでください。
演習用書籍の例を読んでみてわかると思いますが、あなたがこれからなりきる主人公の置かれた状況は、演習ごとに業界は違えど、非常によく似ています。
- 前任者の突然のリタイアでマネジャーがあなたに交代になる
- あなたは60分後に処理や連絡が取れないところへ発たなければならない
また、業界の中で会社が置かれた状況や職場の人間関係など、これから処理する案件に直接関係することが記載されています。
あくまで時間をかけすぎないように読み込んでください。
課題案件の20件を読んで概要を確認する
まずは、案件を緊急度x重要度のマトリクスにプロットできるように、案件が期限が決められた急ぎの案件なのか、会社や部下に多大な結果をもたらしそうな重要な案件なのかだけに注目して、20件すべてにざっと目を通してください。
できれば、登場する人物や組織も後ですぐ分かるようにアンダーラインを引いてくと良いでしょう。
なぜなら、必ず案件どうしに関連性を持たせていルカらです。
一つの案件が必ずどれかに関連します。
人だったり、登場する会社だったり、何かのイベントだったりします。
「あ、この会社名他に出てきたよな?」という感じで、もうわかるならグループ分けしても良いでしょう。
まとめて処理できるかもしれません。
案件を一つずつ、しらみつぶしに処理していかないことが重要です。
緊急度x重要度のマトリクスにいったんプロットしてみる
配布されたメモ用紙に、2x2のマトリクスを作ってください。
そして、縦軸は緊急度 (高/低)、横軸は (大/小)とします。
いったん案件それぞれの緊急度と重要度を考え、仮決めでこの表に案件番号をプロットしていきます。
(時間がないと思いますので、書き込まないにしても、各案件がこのマトリクス上のABCDのどこに当るのかは想定してください。)
ちなみに、一番最後のプロセスで処理する順番は A→B→C→D になります。
重要度(大) | 重要度(小) | |
緊急度(高) | A | B |
緊急度(低) | C | D |
案件を分類する
案件の内容を分類してみてください。
- 人事問題
- 事業開発関連
- ビジネス上のトラブル
- 顧客関連
- コンプライアンス関連
などに分けられると思います。
この際、コンプライアンス関連の案件が最重要となりますので覚えておいてください。
なぜコンプライアンスの案件が特別に重要な理由は、まずコンプライアンスの問題は会社の危機であり、放置したり間違った対応をしてしまうと会社に甚大なダメージを及ぼしてしまうからです。
管理職は、コンプライアンスの問題を未然に防いだり、発生した時には的確に対処してダメージを最小限に抑える能力が求められます。
案件の間の関連性を検討する
ここで最初にアンダーラインをして注目していた、誰からのメール・問い合わせなのか、どの組織に関連する案件なのかに着目してください。
きっとそれぞれに関連性が深い案件があると思います。
顧客からの苦情が、上司から依頼されたビジネストラブル対応の結果であったり、部下からの相談がコンプライアンスに関連する問題と深くかかわっていたり、と案件は単発ではなく、何かしらの関連性を持たせていることが多いです。
関連性を発見できたら、一緒に処理した方が効率がよい場合、処理に整合性を持たせた方がよい場合など、最初に仮決めした優先度を変更しなければならないかもしれません。
後でも述べますが、俯瞰的に検討しそれぞれの案件どうしの関連性を発見できるかも、このアセスメントで評価されます。
ステップ4と5を踏まえて、緊急度x重要度のマトリクスを見直す
ステップ5で関連性が発見され一緒に処理した方が良いために優先度が繰り上がる案件が出てきます。
具体的な処理方法も変わるかもしれません。
ステップ3のマトリクスを書き換えてください。
消しゴムで書き直すと時間がかかってしまいます。
取り消し線で十分です。ここで時間を節約。
あと、特に優先度Dとなった場合には、部下や上司へ案件に対する指示や依頼を残す必要がないものもあります。
案件処理シートに、処理を保留にした理由を考えればよいのです。
必ず案件処理シートには保留した理由を明確に記入してください。
優先順に各案件に対して手紙と案件処理シートを書き進める
あとは、優先順に一気に、手紙に部下・上司への指示・依頼を、案件処理シートに対応の簡単な概要と理由を書き込んでいきます。
ここは時間との勝負です。
「ここでしか時間のロスを挽回できるところがない」と考えてください。
最近はパソコンでのキーボード入力がメインになっていると思いますが、誤字脱字に気を付けながら (漢字がわからなければ、ひらがなやカタカナで。誤字が一番よくありません)、書き進んでください。
くれぐれも、時間内ですべての案件を処理することを目指してください。
処理しきれなかった場合に初めて、優先順を論理を持っていたかが評価されます。

合格する回答例を知る
全て時間内に処理し切るのが原則ですが、質の悪い回答はマイナス評価にもなりえます。
指示書の内容は、
- 宛先が妥当であること
- 指示の内容が具体的かつ明確であること
- 理由と期限が書いてあること
- 結果の報告を求めていること
- 関連している案件があれば、その指示書と整合が取れていること
が必要です。
全て対策を講じるというのは早計で、実は納期遅延となったとしても、判断を保留にした方が良いこともあります。
自分の裁量の範囲を超えたものに勝手に判断をしてしまうのは、スタンドプレーとなることも。
例えば複数の案件を繋ぎ合わせた時に次のようなことが分かったとき
複数の部下Aの悩みの相談が、実はB株式会社の担当から外されたことで、そのB株式会社の課長があなたの上司の部長と裏取引をやっていて、その手下の社員Cが担当になった方が都合が良かった。
というときは、もはや管理職であっても「事件」にも発展しかねないことですから、部下Aへの指示やアドバイスに「期限」ないにも関わらず、適当なアドバイスを書いてしまうとことを悪化させてしまうことも。
ですから、まずは部下Aへの聞き取りをすることが大事なので、指示書には「帰ってきたら面談の機会を儲けることを伝える」となります。
具体的に指示に至らないときは、特にその理由を「案件処理シート」に書き込みます。
理由を明確にして、保留・指示しない方が良いことがあることを覚えておいてください。
インバスケット・ゲームの評価方法
試験が終わったら、配布された書類と手紙、案件処理シート、メモがすべて回収されます。
具体的な手紙と案件処理シートだけではなく、アンダーラインなどを書き込んだ書類や優先順を検討したメモからも、あなたがどのように考えて処理したかを評価するため参考にされるので非常に重要です。
その評価されるポイントには以下のことが想定されます。
試験としてだけ行われる場合
案件処理に一律の正解はありません。
回答は千差万別です。
時間内に何件を処理できたかはもちろん重要な評価指標ですが
- 自身の論理性を持って優先度を設定したか?
- ヒューマンスキル、コンセプチャルスキルを駆使しているか?
- 各案件の問題点の詳細を的確にキャッチしているか?
- 俯瞰的に案件どうしの関連性を捉えることができているか?
- 問題分析して論理的なプロセスで処理を行うことができているか?
- わかりやすく、部下・上司に支持・依頼できているのか?
が問われます。
ただその中でも、コンプライアンスに関わる案件を最優先・最重要案件にしているのか?適切な対応をしているのか?は、一番重要な評価項目であるということは間違いありません。
「選抜型集合研修」の中で実施される場合
選抜集合研修では、インバスケット・ゲームが終わったあとに、グループディスカッションが行われます。
その中で、グループのメンバーそれぞれが優先度を高く設定した案件と、それらに対してどのような処理を行ったのか?なぜその処理を行ったのか?を互いに共有し合い、それが妥当だったのか?他の方法がなかったのか?など意見を戦わせます。
試験官 (研修の中で試験を行う場合は講師) は、そのディスカッションの受験者それぞれの案件処理の論拠を聞き取ります。
先ほど述べたように画一した「正解」はないので、その論拠が妥当がどうかではなく、
- 積極的に発言しているか?
- 生産的、建設的な姿勢で議論に参加しているか?
- 相手の立場に考慮して発言しているか?
- 自身の論理を的確に一貫性を持って説明しているか?
- 相手の目線に立ってわかりやすく説明しているか?
- 他者の意見を慎重に聞き取り、論理性を持って自分に取り入れ適切に修正する柔軟性があるか?
- 他のメンバーに新しい視点・インサイトを与えるような発言をしているか?
など、企業がマネジャーに必要な特性として指定される項目に評価をつけていきます。
また、グループディスカッションのあとに、意見を取りまとめホワイトボードなどを使って、グループの議論の結果をプレゼンする場合もあります。
ここでは、リーダーシップが発揮できるか?が評価されます。
取りまとめる作業をファシリテート (結論に向けてグループをリード) するか、最後のプレゼンを積極的に買って出るようにしてください。
まとめ
最後にインバスケット・ゲームへの対策についてまとめます。
- 事前準備として出題ごとの案件には共通するパターンがあるので、パターンごとの処理を事前に考えておく
- 優先順を決めるためマトリクスを使用するプロセスをマスターする
- 案件を分類するプロセスをマスターする
- 俯瞰的に案件どうしの関係性を見出す力を身に着ける
- 理由をもって保留にできる案件もある
- 時間内にすべての案件を処理することが原則
- 本番の試験では、説明書類やメモに書き込んだ内容も評価される
- 選抜型集合研修では、グループディスカッションでリーダーシップを発揮する
インバスケット・ゲームは、準備や練習をするかしないかで大きな差が出ます。
またインバスケット・ゲームは普段の業務の進め方、タイムマネジメントの改善にも多大な効果があります。
マネジャーを目指すなら、また既にマネジャーに昇格していてもさらなる高みを目指すなら、このインバスケット・ゲームをマスターすることは、あなたをより良いポジションに導くはずです。