「なるの部屋」では、社会人としてのあらゆるステージでのキャリア形成のための勉強やキャリア設計のための具体的提案しています。
この記事では、僕がこれまでマネジャーとして若手の育成や評価を担ってきた立場から「会社はあなたをこんな風に見ている」といったことをお伝えします。
新卒入社1-3年目の一番若い方が、将来うまくコーポレート・ラダーに乗っていくのための、実績の積み方や学習方法などを紹介します。
はじめに -会社は若いあなたに何を求めているのか?-
入社1-3年目によく生じる困りごと
新入社員の方はもちろんですが、入社2-3年目であっても皆さんは、少なからずこんな不安に苛まれていないでしょうか?
業務内容が自分に合っているのか不安を感じる
会社の文化やルールに適応するのが難しい
マナーやビジネススキルなど、社会人として必要な知識・スキルが不足している
語学力が不十分で、海外とのやりとりやグローバルなキャリア形成に不安を感じる
将来的なキャリアの方向性が見えていない
ただ、そんな漠然とした悩みは会社からすると織り込み済みで、最初から全て出来るあるいは業績を上げるということは期待していないのです。
会社が1-3年目の社員に求めていること
それでは、会社はいったい何を求めているのでしょうか?
- 社会人として持つべき基本的な知識・能力
- 業務に向き合う姿勢・意欲
- 会社の文化と合うか
要は、将来に会社の業績やマネジメントに貢献するポテンシャルをどれだけ持っているか、を評価しているのです。
でも、そこで高い評価評価を得ないと、「コーポレート・ラダー」に乗り遅れる、もしくは乗れない可能性があるのです。
コーポレート・ラダーとは?
コーポレートラダーとは、会社が用意した昇進・昇格の標準的なステップ (はしご) のことを言います。
でもそのはしごには定員があって、すべての社員が乗れるわけではありません。
世の中に出回っている本やWebサイトには、「そのはしごがそもそも間違っているから自分で起業するべき」とか「会社の言いなりになるようなはしごを昇ることは個性をないがしろにすることになる」とか、いろんなネガティブな意見が出回っています。
でも、僕は入社して間もない若い方にとって、コーポレート・ラダーに乗ることには、大きなメリットがあると考えています。
それは、将来その会社にずっと在籍しないかもしれないけれども、どの会社にも共通する社会人の能力を給料をもらいながら磨くことができるというこです。
実際の業務に関連する知識やスキルは、確かに個人個人で大きく異なるでしょう。
でも、先に挙げた会社が求めること、というのは会社で大きな差はないのです。
学生の時にいっぱい苦労して、頑張って、やっと入れた会社です。
入社1-3年目のようにキャリアを積んでいない方が、安定的な収入がないまま道なき道を歩むことが簡単なはずはありません。
なので僕は、まずコーポレートラダーに乗る努力をすることで、安定的な収入を確保しながら、これからキャリアを選択するうえで必要となっていく社会人としてのスキルや俯瞰的な視点を獲得していくべきと確信しています。
入社1-3年目の社員が将来のために修得しておくべきこと
入社1-3年目の社員は、何をどのように学べばよいか?
それでは、何をどのように学ぶべきでしょうか?
もう一度、会社が入社1-3年目の社員に求めることを挙げます。
- 社会人として持つべき基本的な知識・能力
- 業務に向き合う姿勢・意欲
- 会社の文化と合うか
それでは、次に実際それぞれについて、どのように学んでいけばよいのか、具体的事例を紹介していきます。
社会人として持つべき基本的な知識・能力
ここで求められる知識や能力は、おおよそこれらかと思います。
- ビジネスマナー
- プレゼンテーション力
- 語学力 (英語)
- IT リテラシー
ビジネスマナー
ビジネスマナーについては、On-The-Job-Training (OJT) や 会社が提供する集合研修 / Off-the-Job-Training (Off-JT) でも学ぶことができます。
でもそれらは、会社固有あるいは業界特有の慣習のものであったりするので、外部には通用しないこともあり得ます。
もし将来、すでにキャリア・チェンジする可能性を想定しているのなら、一般社団法人全国検定教育振興会が運営する『ビジネスマナー検定試験』、あるいは公益財団法人実務技能検定協会が運営する『ビジネス実務マナー検定』を受けてみて下さい。
以下、参考書問題集を紹介します。
『ビジネスマナー検定試験』と『ビジネス実務マナー検定』は別ものですので注意してください。
公式テキスト「ビジネス実務マナー検定 受検ガイド」【タイアップ】
プレゼンテーション力
世の中には、今世の中の一流企業の社長・CEOたちが、こぞってスティーブ・ジョブズのマネをして、大きなスクリーンの前に立って歩きながらやってますが、あれを目指すことはないです。(みんなマネしすぎ・・・)
実は、プレゼンテーションの方法は目的で全然違います!
1.上司・グループ向け社内会議用
2.社内研修用
3.顧客・提携向け
あなたが、今後経験しそうなプレゼンテーションは以下の通りでしょうか?
僕の場合は今職務的に、2が多いのですが、この場合は事前・事後にスライドを共有するので、内容を漏れなく、わかりやすく、詳細にする必要があるので、他の目的と大きく資料作成やプレゼンの仕方が違います。(違うということだけ知っておいてください)
ここでは、1と3について紹介します。
共通するルールとして、スライドは、
箇条書き
体言止め
文字は原則24ポイント以上
1ページにグラフかイラストを一つ入れる
とシンプルにして、詳細は必ず口頭で説明してください。
話し方は、
発言中は聴講者を見つめる (目を見るのがベスト。あまりに近くすぎて気難しい場合は後部座席を見る。)
スライドは原則見ない (ポインタで重要なところを指すときのみ)
抑揚をつける (大事な単語を大きく発音、「です、ます」といった語尾を意識して強調)
これで、大きく印象が上がります。
そのために、大事なことは
いちいちスライドを観ないように、スライドは頭に叩き込んでおく
話す言葉は「口で覚える」ぐらいに練習する
録音して、聞きやすさ・抑揚をチェック
プレゼンが上手だと思う人は、もれなく・間違いなく、無茶苦茶練習しています。
アドリブでポンポン言葉が出てくる人なんて絶対にいません!
本当は誰かに見てもらってチェックするのが良いんですが、なかなかお願いしづらいので、少なくとも録音して何回もチェックしてください。
社外のトレーニングや講習を受けるのもおすすめです。
語学力 (英語)
語学力の強化は、できる限り早い時期から、いや、今この時点で始めてください。
僕の経験からも英語力はあなたの将来を助けます。
今から力をつけておかないと、本当に将来が危ないです。
詳しくは、こちらの記事を参照してください。
ITリテラシー
ITリテラシーについては、Microsoft Word/Excel/PowerPointを使いこなすのは当たり前ですが、特にExcelについてはマクロ、あるいはAccessを使いこなせるようになるとよいです。
またSharePointもよく使うようになると思います。
もっとリテラシーを高めたいということであれば、Pythonを使いこなせるようになれば良いです。
ただ注意してほしいのは、これらは自分の業務の効率化のためだけに修得してください。
このスキルを使って、上司や他の人に必要以上にやすやすと依頼を受けてしまうと、ただの「便利くん」として利用されるだけになってしまいます。
むしろ、関連する業界に用いられているデバイス、クラウドサービス (Software as a Service : SaaS) の最新情報をキャッチアップする、他社のデジタルトランスフォーメーションの具体的事例を把握しておき、上司に紹介できるようにしておくとよいでしょう。
ITパスポート試験を受けることもおすすめです。なんといっても、一般的なビジネスで使えるITスキルが身に付いていることを証明できる国家試験ですから、履歴書やCV (職務経歴書) にも書けるので、以降のキャリア形成にも有利です。
業務に向き合う姿勢・意欲
上司・マネジャーは、将来のポテンシャルとして、以下の行動を見ています。
業界・職務の専門性を吸収しようとする姿勢
迅速な報連相
周囲への積極的なコミュニケーション
会社のことを理解しようとする姿勢
業界や職務の専門性を受け身の姿勢で修得しようとしていませんか?
先輩や上司でも積極的に、わからないことがあれば直ぐに教えを乞う、あるいはこれで正しいかどうかを確認する行動をとることが、自分の専門性を高めることになりますし、自分を効果的にアピールすることになります。
また、ちゃんと上司や先輩に報連相 (報告・連絡・相談) を「直ぐに」していますか?
うまくいったことをは、褒めてもらおうとすぐに報告しがちかもしれませんが、失敗や悪いことほど迅速に相談してください。
「危機を察知する能力」をみられています。
逆に良いことは、後で報告した方が記憶に残りやすい (近日効果) のです。
周囲への積極的なコミュニケーションについては、オープンマインドを持っているかが見られています。
将来に社内外から協力を得るためのネットワーク構築力のポテンシャルを測ります。
これは、実は僕がもともと苦手と思っていたのですが、「自分でもできる」と分かったとき飛躍的に延びたポイントです。
会社のことを理解しようとする姿勢については、会社の長所や業績は常に見ておいてください。
営業にしろ内勤にしろ、社外との接触がありますので、自分の会社の良いところを理解しアピールすることは会社の利益に貢献することになるので、ラダーに乗るうえでも重要です。
入社前後で、会社への印象が変わることはごく当たり前のことです。実際に入社して幻滅することなんてざらにあります。
でもそれを自分が変えていこうとする言動は、上司からのあなたへの印象を高めるだけでなく、幻滅から受ける悪影響からあなたの精神状態を守ることにもなります。
会社の財務状況は理解できるようにしておいてください。そのためには財務三表 (貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書) の読み方は、将来絶対に必要になりますから、マスターしておいてください。
今の状況を分析してみよう -客観的・俯瞰的視点から-
学習を進めながらでよいので、自分の強みと弱み、会社との相性を分析してみましょう。
先ほども書いた通り、将来転職するかもしれませんが、そんな場合でもコーポレート・ラダーに乗ることは、有利に働きます。
そのためにも、会社との相性を合わせて自分の強みを強化して、弱みをできる限り少なくするよう努力しましょう。
会社の分析
今の仕事は楽しいか
同期の他の仕事は楽しそうか
上司、他の上司は信頼できるような人格か
会社が掲げるポリシーやミッションに共感できるか
会社の業績は順調か
自己評価
専門的知識・スキル
意欲があるか
叱られることが多いか、褒められることが多いか
できるだけ数値化して評価した方が良いと思います。
例えば入社前と現在を比べて+1、+2、+3
周囲の先輩と比べて−3、−2、−1など定量的にした方が、自分の進歩を客観的に把握できます。
改めて、自分でも入社前に想像したものの良かったことと悪かったことの違いを明らかにすることで、ひょっとすると自分が会社に合っていないと感じるかもしれません。
けれど、いったん待ってください。
すでに移りたい業界やそれに十分な知識・スキルを持っていて今それをすぐにでも転職できる状態以外は、先にも言った通り、しばらくはこの会社に残ることを前提で考えてください。
まとめ
お伝えしたいことを以下にまとめます。
- 将来のキャリア形成 (昇進・昇格・転職を含め) のために、コーポレート・ラダーに乗るべき
- 社会人として持つべき基本的な知識・能力
- ビジネスマナー
- プレゼンテーション力
- 語学力 (英語)
- IT リテラシー
- 業務に向き合う姿勢・意欲
- 業界・職務の専門性を吸収しようとする姿勢
- 迅速な報連相
- 周囲への積極的なコミュニケーション
- 会社のことを理解しようとする姿勢
- 会社の文化と合うかをチェック
- 会社の分析
- 自己分析
いかがだったでしょうか?
せっかく苦労した結果選んで入った会社です。
どんなに嫌でも、将来のキャリア形成のために、給料をもらいながら勉強できるのはお得!考えてみてはいかがでしょう?
今の会社で掴んだ実績をもって、さらなる飛躍を期待しています!
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