このブログでわかること
☟[表示] をクリック
職務経歴書 (CV) は転職活動で最も重要!
職務経歴書は、これからの転職活動を大きく左右する最も重要な書類です。
たった1~2ページの書類なのですが、うまく書いていないと一次面接のチャンスすら獲得できず、面接に進んでも ちゃんと自分をアピールできません。
それには、あなたがどれだけそのポジションにふさわしいか、また「意外性」を持つ魅力的な人材なのかを、職務経歴書に盛り込まなければならないのです。
これは、なかなか転職エージェントも教えてくれません。
今回、僕が経験したことや実際にやってみてよかったことを、転職先のハイアリング (募集した責任者) からも話を聞いて検証してまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、職務経歴書 (CV) とは?
転職を検討し出してから、初めて目にする文書ではないでしょうか?
職務経歴書は、” CV ” と呼ばれることも多いです。
これは "curriculum vitae" (カリキュラム・ビタエ) を略したもので、求人に応募した人がこれまでに経験してきた職務や職責、あるいは資格を簡潔にまとめた文書のことを指します。
日本企業ではあまり “ CV ” という言葉に馴染みがないことも多いと思います。
外資系企業においては、入社後も従業員がどのような責務や仕事ができるのかを把握するために、人事情報として更新を繰り返しながら保持していることが多いようです。
履歴書と似ているような気もしますが、転職では職務経歴書との両方を提出することがあります。
では、それらの違いは何でしょうか?
日本の場合履歴書は、高校ぐらいからの学歴と、どういった職業に就いてきたのか、どんな会社に勤めてきたのか、そして資格、趣味などを記載するものです。
一方、職務経歴書では、その職務でどんな成果を上げてきたのかなどを記載するところが主な違いです。
履歴書は英語で ” Resume ” に相当するものだといわれていますが、履歴書は日本独自の共通のフォームで、通常の Resume と全く違います。
内資系の企業ではさほどその違いを把握しておかなくても問題はないですが、外資への転職を検討している場合は知っておいた方が良いかもしれません。
職務経歴書 (CV) の利用目的
転職で使われる職務経歴書には、企業では以下の利用目的があるため、応募者にとっては極めて重要です。
- 募集しているポジションに適合した人材か否かの判断 (一次面接をするかの判断)
- 採用面接時に、説明内容と齟齬がないか、職務経歴書に書かれていないことが何かを確認するために手元に置いて参照する
応募した企業には、推薦する転職エージェントから口頭やメールで、あなたに関する情報がインプットされるでしょう。
しかし、実際には企業の担当者は、ほとんど職務経歴書でしか判断しません。
またそれ以外にも、その会社のいろんなポジションの方に、何回も繰り返し読まれます。
通常、1つのポジションの募集に何人も同時に応募してきます。
ここで工夫しなければ、企業は経験の多い順、スキルが高い順に面接を依頼していきます。
潜在能力はみませんので、これらが劣る人には、なかなか面接のチャンスすらめぐってきません。
では、その工夫とは何か?
それは、「意外性」です。
その定義は後ほど説明します。
一方採用面接では、職務経歴書の内容に沿って質問されます。
逆に言えば、工夫さえすれば職務経歴書を使って、自分がアピールしたい質問へ誘導することができます。
これを使わない手はありません。
つまり、応募して一次面接を獲得するため、面接でよい結果を得るために、転職の中では一番重要な書類、といっても過言ではないのです。
職務経歴書 (CV) は、超簡潔であり、わかりやすく、詳しくなければならない
しかし、職務経歴書は1ページ、多くても2ページの書類
その狭いスペースに、あなたに興味を持ってくれるように、長い職務歴を詰め込まないといけないのです。
そして先に説明した、「適合した人材かの判断」「採用面接時の参考資料」といった二つの利用目的を満たす内容を、超簡潔に、わかりやすく、詳しく、しかも「魅力的」に記載しないといけないのです。
それが、どれだけ難易度が高いかおわかりですよね?
成功するための 職務経歴書 (CV) の構成 と 記載内容 はこれだ!
職務経歴書は、転職エージェントや転職サイトからフォームをもらえますが、転職エージェントや転職サイトごとで微妙に項目名が異なります。
ただ記入する内容は、ほぼ一緒と考えてよいでしょう。
転職エージェントによっては、違うエージェントで使ったものでも構わず、早急な提出を求めることがあります。
しかし、やはり仲介するエージェントやサイトのフォームを使う方が、統一感があって印象は良いです。
また転職エージェントによっては、応募者から最初に受け取った職務経歴書をそのまま企業に送ろうとします。
でも、僕はそれが成功率を下げる要因の一つになると考えます。
なぜなら、
- それが必ずしも、その企業が求める情報と合致していないから
- そして応募者であるあなたの本当の姿を反映していない可能性があるから
です。
一件一件、その会社と募集しているポジションに応じて、戦略的に職務経歴書を見直すべきです。
そこでこの記事では、転職エージェンも教えていない、その重要なポイントを解説していきます。
標準的な職務経歴書 (CV) の構成
標準的な職務経歴書の構成は、おおよそ以下のようなイメージだと思います。
それでは、職務経歴書の各項目に何を記載するのか見ていきましょう。
以下に、転職エージェントや転職サイトによって異なる別の項目名や英語表記も併せておきます。
ヘッダー (Header / Profile)
通常は、以下の個人情報を記載します。
- 候補者 (Name )
- 生年月日 (Date of Birth)
- 連絡先 (Contact Details )
- 現住所、電話番号、 Eメールアドレス (Address Mobile Phone Email)
場合によっては、言語能力 Language (他の言語の上級か中級か) を記載する場合があります。
職務概要 (Summary / Objective)
ここでは、原則5〜6行で、自分がどのような能力や知識を持っているか、そのベースはどんな経歴や実績を持っているからなのかを要約します。
このなかで、いかに自分が応募したポジションにふさわしいのかを主張します。
これらをうまく5〜6行でまとめるには、PREP法※1や演繹法※2・帰納法※3を意識して、余計な接続詞や回りくどい表現を極力避けて (文学的な要素は排除)、視覚的に見せることがポイントです。
文章も2行以上にわたらないように、細かく区切って、リズムよく読点を配置させてください。
また、前職・現職の機密情報に当たらない限りは、定量的に記載してください。
〇を🔲件達成など数値を記載することが効果的です。
※1 PREP法:文章を次の順で構成する方法
Point :要点 (結論や主張)
Reason :理由
Example:具体例 (事例・データ・状況など)
Point:要点 (結論や主張)
※2 演繹法:複数の物事・事例を関連させて結論を導く説明法
(A=B、B=C、だからA=Cだと言える)
(私は Dを担ってきた、DはEしかできない、だから私はEだ)
※3 帰納法:複数の物事・事例の中の共通点から結論を導く説明法
(C には A や B がある、A や B は D だから C は D だと言える)
(私は F と G を達成した、F と G はともに H な業務だ、だから私は H である)
職務経歴 (職務内容 / Work Experience)
社会人となってからこれまでに所属してきた会社や職責、実績とその概要を記載します。
- 会社名 所属(Corporate Department)
- 期間 (Working Period)
- 職責 (Responsibilities)
- 実績 (Accomplishments)
会社名、所属、期間は基本的には時系列で記載します。
職責は、所属した部署での役割のことですが、いくつか異なる経験をされていると思います。
その役割名を「〜担当者」「〜責任者」のように、職務の内容がわかるように書きます。
特に実績は、概要と併せて1行、多くても2行にまとめてください。
例えば、年間平均●●件の新規契約とか、〇プロジェクトにて新規に△を導入、など自己アピールできる実績を、今の段階では思いつくものを全て書き出してください。
どんな些細なことでも、よく思い出してください。
そして後で説明しますが、特に苦労したこと、創意工夫して乗り越えたことが大変重要です。
具体的に説明できるまで詳細を思い出し、その結果だけを簡潔に記載してください。
以上のいくつかは、応募する企業やポジションによって割愛する場合もありますが、最初の段階では思いつくものをすべて記載しておきます。
学歴 (Education)
履歴書のように高校あたりからの記載は不要です。
最終学歴と卒業年度だけで十分です。
ただし、専門職やあるいは研究者の場合、資格をとるために卒業した専門学校や大学院は記載しておいてください。
保有資格・技能等 (Qualifications)
公的な資格、語学検定、業界団体の認定の資格、前職での受賞歴、その他思いつくことはすべて書き出しておいてください。
応募するポジションや現職に全く関係ないものもOKです。
自己PR (Additional Information)
以上の項目で書ききれなかったこと、主張したいことがあれば、積極的にアピールしてください。
例えば、業界活動での役割や社内インフォーマルな取り組み、ボランティア活動などについて記載します。
ただし、転職エージェントや転職サイトの職務経歴書のフォームに、この項目がない場合もあります。
職務経歴書 (CV) の出来で一次面接に進めるかどうかが決まる!
以上のように職務経歴書の内容は、非常にシンプルです。
その分、「簡潔かつ詳細に」を徹底し、両立しなくてはなりません。
先に説明した通り、職務経歴書の目的は、「募集しているポジションに適合した人材か否かの判断 (一次面接をするかの判断)」です。
応募した企業には、推薦する転職エージェントから口頭やメールで、あなたに関する情報がインプットされるでしょう。
しかし、実際には企業の担当者は、ほとんど職務経歴書でしか判断しません。
あなたへの興味や関心が沸かなければ、面接には至りません。
なので、この職務経歴書の出来次第で、企業の目に留まるかどうかで、チャンスを獲得する確率が大きく変わります。
職務経歴書 (CV) で面接の内容をコントロールできる!
職務経歴書のもう一つ目的は、「採用面接時に、説明内容と齟齬がないか、職務経歴書に書かれていないことが何かを確認するために手元に置いて参照する」です。
採用面接では、一次、二次、そしてどのステージの面談でも、職務経歴書と照らし合わせながら、必ずこの質問をされます。
「あなたのこれまでの職務の中で、苦労したこと・困難は何でしょうか?」
「そして、それをどのように乗り越えましたか? 」
つまり、この質問に関連することを先に職務経歴書へ盛り込んでおけば、面接の内容を事前にコントロールできるのです。
面接官は、職務経歴書をみながら、「ああ、この職責で苦労したのか、なるほどそういう苦労を乗り越えたんだ」
と具体的にあなたのことを理解し、より興味を抱くはずです。
「刺さる」職務経歴 (CV) を完成させるための7ステップ
それでは、面接獲得そして面接を有利に導く「刺さる」 職務経歴書を作成するにはどうしたらよいのでしょうか?
僕は、そのための次の7ステップを確立し、これを実践してきました。
- 職務経歴書の汎用テンプレートを作る
- 応募する企業と募集要項 (Job Description) を徹底的に調べる
- 自分の経歴や能力で貢献できそうなところや、賛同して是非取り組みたいことを見つける
- 自分の「意外性」を発見する
- 汎用テンプレートに必要なことを書き加える、不要なところを割愛する
- 翌日以降に自分で見直す
- 第三者に確認してもらって最終仕上げ
それでは次に、各ステップでやることを具体的に説明していきます。
職務経歴書の汎用テンプレートを作る
まず、転職を志すなら最初に、これまで所属した会社と所属、異動歴を期間をメモに書き出して、所属部署ごとの職責や実績 (成果、経験したこと)、取得した資格、受賞したことを、すべて洗い出して、書き加えてください。
「もれなく」です。
後で探す「貢献」や「賛同」を探すのに、どんな細かいことでもよいので、ノートに全部書き出してください。
最終的には、分類したり、並べ替えたりするので、Excel のようなスプレッドシートに転記した方が良いです。
これは時間をかけてやった方がよいです。
後で忘れていたことを思い出したりするので、「もうこれ以上はないな」と思っても、一週間は続けてください。
そしてこのノート・Excelのシートは、後でも見直すので大事に保管しておいてください。
次に、実績で書き出したことが、プロジェクトなのか、達成できたのか、できなかったのか (実は達成できなかったことも重要)、など分類します。
そしてそれらの中から、特に苦労し、創意工夫して達成した実績を、少なくとも2~3想定してください。
それらを、「標準的な職務経歴書の構成」で説明した注意点を踏まえて、汎用テンプレートとしてもれなく書き写していきます。
ここで転職エージェントや転職サイトから入手したフォームを使っても大丈夫です。
ちなみに、「苦労したこと」は、所属部署や職責の中で目立つように一番上に持ってきてください。
細かいところまで具体的なエピソードを思い出しておいてください。
この一連の作業は、自分の経歴の棚卸し、つまり一つの自己分析です。
これにより、改めて自分が何者なのか理解し、論理だてて自分のことを説明できるようになります。
そのうえでもう一度眺めてみて、今の段階で積極的に省く必要はありませんが、個人的すぎるなど、あまりにも余計なことは削除してください。
応募する企業と募集要項 (Job Description) を徹底的に調べる
エージェントから紹介された企業や、転職サイトから見つけて応募したい企業を、企業のWebサイトや会社四季報などでリサーチしてください。
調べることは、
- 企業理念・ビジョン
- ここ2〜3年の財務諸表
- 社内組織
- 販売中の製品・サービス
- これからの計画 (ビジネスプラン)
です。
もし時間がなければ、企業理念・ビジョンと販売中の製品・サービスには必ず目を通してください。
次に、転職エージェントから提供されたり、転職サイトに掲載されている、募集要項 / Job description (JD) をよく読み込みましょう。
募集要項には、役職、職務内容、職務範囲、必要となるスキルなどが明確に記載されています。
ふんふん、そうかそうか、と軽く読むのではなく、もしもこのポジションに就いたらどういう形で働くのか、何に困りそうか、を想像を膨らませて、具体的に考えてみてください。
思いついたことは、忘れないようにすぐメモしましょう。
また、想像するうえで職務概要に書かれていないようなことは、転職エージェントや転職サイトを介して問い合わせてみてください。
企業としての機密情報があるので全てがクリアになることはないですが、先方にも積極的な姿勢が伝わるかもしれません。
自分の経歴や能力で貢献できそうなところや、賛同して是非取り組みたいことを見つける
調べた上で、どんな些細なことでも良いですから、自分の経歴や能力を使って貢献できそうなところや、賛同して取り組みたいことを見つけて書き出してください。
ヒントは、募集要項 / JD の「職務内容」「必要とされる能力」、企業情報の「企業理念」「今後の事業計画」にあることが多いです。
例えば、
- 自分がリードしてきたプロジェクトで得た知識が、別の業界ではあるけれど製品をプロモーションする上で役立ちそう
- 企業理念が目指していることが、自分がこうありたいという部分と重なる
- 現職で培ったスキルが、その企業がこれから計画しているプロジェクトに欠けている部分に活かせる
など、想像を膨らませてください。
つまり、その求人・ポジションに応募するだけの「妥当性」を持っているか、ということを探すのです。
自分の「意外性」を発見する
これから企業が責任をもって育成していく新卒採用とは違い、転職の場合は基本的に即戦力を求めています。
ですので、「潜在能力 (ポテンシャル)」は評価しません。
かたや、中途採用 (人事的には外部調達ともいいます) には、「新しい風を入れて刺激を与え、社内の変化を活性化する」という、もう一つの重要な目的があります。
そういった意味では、その企業やポジションにこれまでいなかったタイプ、刺激を与えてくれる人材、全く異なる発想を求めています。
現在その企業には存在しない視点から物事を発想でき、良い影響を与える人材とも言い換えられると思います。
これらを満たすのが「意外性」です。
先にも述べた通り、これがあなたに無ければ、経歴が長い順、スキル・知識が高い順に選考されてしまいます。
じゃあ、具体的に「意外性」とは何か?
それは、「求人・ポジションとは一見関連しないように見えるが、実は非常に有望な経験・経歴・スキル」と定義づけられます。
それがあれば、応募したいポジションを獲得するうえで、その経験の短さやスキルの低さが不利にはたらくどころか、大きなアドバンテージになり得るのです。
実際僕の場合、転職したポジションが総務・管理系ですが、前職でその経験よりも長く研究を15年やって実績を上げていた、ということが相当の魅力になりました。
入社後の面談で、今の上司やその上の上司にも後でそのことを聞き、その経験は今後もプラスになるよ、と言われています。
ただし、「意外性」には標準的な例がなく、それぞれのポジションによりケース・バイ・ケースです。
例として考えられるのは、
- ボランティア活動に熱心 (1日だけちょっとお手伝いした程度ではだめですが)
- コーチングの認定コーチ
- 自分で業務とは関係のないインフォーマル (非公式) な勉強会を立ち上げた
- 営業だけれどもプログラミングできたり情報処理技術者の資格を持ってる
- 営業の仕事の前に、ずっと品質管理やロジスティックを専門にしていた (製品の流れや、クリティカルパスがわかる)
などで、いろいろな「意外性」が少ない経験値を補う「強み」になり得ます。
全てのケースで、その会社に「新しい風」入れられるのか? というのは難しいかもしれませんが、絶対にプラスに働きますので、是非考えてみてください。
もちろん面接のときにも大変有利です。
しかし、嘘はご法度です。
もし、「意外性」を見つけられなくても、ちょっとだけでも、応募するポジションとは全く違う責務を経験しているはずです。
その違う仕事で得た知識やスキル、発想がそのポジションに何か役に立つことがないか、考えてみてください。
もしどうしてもわからない、という方は将来のチャンスのためにも、今からでよいので何かにチャレンジしてみてください。
汎用テンプレートに必要なことを書き加える、不要なところを割愛する
先にも述べたとおり、
- 職務概要はいかに自分がそのポジションにふさわしいか
- 職務経歴と保有資格はその根拠
を記載する場所です。
ステップ 03 で見出した、貢献できること、その会社で取り組みたいことを、ステップ 01 で作成したテンプレートに盛り込んでください。
次に、職務経歴のなかでその根拠となる実績を強調するため、実際の時系列になっていなくてもよいので、一番上に持ってきてみてください。
そして、ステップ 04 考えた、「意外性」に当たる経歴を強調します。
それ以外の経歴で、関係ないものは必要ではない限り、思い切って省きましょう。
職務概要はこう修正しよう!
例えば36歳、社会人歴15年目、電子部品の製造メーカーの社員で、大学新卒入社後営業マンとして4年過ごし、工場で購買部で7年従事した後、製品部でマーケティングに3年間携わった人が、今回大手電子機器メーカーへ、初めて転職にチャレンジしたケースを想定します。
募集中のポジションには、新たな通信端末のマーケティング・プロジェクトのリーダーとしての役割も、募集要項に盛り込まれていたとします。
このケースで、職務概要をいったん作成します。
私は、○年に株式会社⬜︎入社以来3年間、●部品の営業担当者としてに携わってきました。その後、◎工場にて購買部に所属し、7年間に渡り製品材料の調達業務及び製造コスト改善プログラムを担当しました。人事異動により、本社の製品部において3年間マーケティング業務に従事してきました。その中で、営業部では、△の分野で新規顧客の開拓の基礎を学びました。製品部では、▲プロジェクトのリーダーを担い、Xを完成させ、発売に漕ぎ着けることで、周囲を巻き込み、大きな目標を達成する能力を獲得しました。これらの経験により、培われた私の根気強さと情熱は、現在の職務貴社のマーケティング活動に大いに貢献できると思います。
時系列で経歴を説明し、それぞれで得た能力を説明し、即戦力としての期待をアピールしているので、これでも良いように見えます。
しかし、何年所属したかは次の「職務経歴」を読めばわかるので省けますし、「根気強さと情熱」は職務経歴書の中でいくら主張したところで文字面だけでは伝わりません。
そこで、PREP 法と意外性を踏まえて、書き換えてみます。
私は、販売戦略と製品戦略の両面で、電子部品及び周辺製品に特有のマーケティング戦略を実践してきました (Point)。営業部においては、〇製品について新規顧客の開拓に携わり、製品部では▲プロジェクトのリーダーとしてチームを率いて、新製品Xの完成及び発売を達成しました (Reason & Example)。
一方、購買部における〇製品の製造コスト改善プログラムの中で、材質調達を含めたコスト戦略を提案・主導し、△年度の営業利益の改善に貢献しました (意外性)。
以上の経験により、電子部品及び通信端末を含む周辺製品においては、販売促進だけではなく、製造コスト戦略を含めたバリューチェーンを俯瞰したマーケティング活動を実践できると考えています (Point)。
マーケティングリーダーとして期待してほしいポイント、経験からくるその理由と実例、そしていったん異なる部署に異動した経験を活かすことができる期待感 (意外性)、再度両方の経験から期待してほしいことのまとめ、といった流れで構成してみました。
またターゲットの製品である「通信端末」も少し書き加えました。
あと、演繹法や帰納法で肉付けすることもできます。
ぜひ皆さんの経歴では、もう少しコンパクトかつ効率的にアピールできないか、よく検討してみてください。
翌日以降に自分で見直す
作成してから時間をおいて、できれば早くても翌日以降に見直してください。
直後で見直すと、本能的に丁寧に読み返すことを拒否してしまい、推敲することができません。
必ず時間をおいて、できれば翌日以降に頭がリセットされた状態で見直してください。
- 誤字脱字がないか、てにおは・文法、語順に誤りがないか
- 文章として違和感のある表現になっていないか
- PREP法、演繹法、帰納法を使って説明できないか
- 構成がわかりにくくないか
を意識して読み返しましょう。
それも音読して読んでみるのがベターです。
そうすると、書いているうちにこの表現がいいと思い込んでいたことが、実は適切ではなかったことに気づいたり、文章上で論理が破綻していることに気づいたりします。
語順も非常に大事です。
「私は、数多くの〇製品のマーケティングに関する業務を経験し」
これでは、〇製品が多いのか業務が多いのかわかりませんので、
「私は、〇製品のマーケティングに関する数多くの業務を経験し」
と、「数多くの」を修飾する単語の直前にもってくるのが、文章を読みやすく・わかりやすくするポイントです。
そして、自分で見てみて、あまりにも修正点が多いようであれば、もう一度時間をおいて見直しましょう。
第三者に見てもらって最終仕上げ
最後に信頼のおける友人や、転職エージェントの担当者に見てもらって、違和感がないか率直に意見をもらって下さい。
自分では全くわからない思い込みがあったことに気づかされます。
そして、外資系の企業に応募する場合は、英語の CV を提出することが多いです。
その場合は、ネイティブスピーカーに見てもらうことをお勧めします。
外資系企業をカバーするエージェントには、ネイティブの担当者がいることが多いです。
担当者にネイティブの方に見てもらうように依頼してみても良いと思います。
職務経歴書 (CV) の書き方まとめ
職務経歴書 (CV) は転職のために最も重要な文書です。
その目的は
- 募集しているポジションに適合した人材か否かの判断 (一次面接をするかの判断)
- 採用面接時に、説明内容と齟齬がないか、職務経歴書に書かれていないことが何かを確認するために手元に置いて参照する
ですから、いい加減なものを提出すれば無視されてしまう可能性が高いです。
戦略を持って作成しないと面接のチャンスすらも得られません。
もう一度、職務経歴書の作成ステップを示します。
- 職務経歴書の汎用テンプレートを作る
- 応募する企業と募集要項 (Job Description) を徹底的に調べる
- 自分の経歴や能力で貢献できそうなところや、賛同して是非取り組みたいことを見つける
- 自分の「意外性」を発見する
- 汎用テンプレートに必要なことを書き加える、不要なところを割愛する
- 翌日以降に自分で見直す
- 第三者に確認してもらって最終仕上げ
ここで重要なのは、
- その企業やポジションに貢献できる経験・スキル・知識がないか、その根拠を示すことができるか
- 苦労して、創意工夫して、成果を得た実績がないか
- 企業やそのポジションに、新しい風を入れる、新たな発想を与える「意外性」がないか
を見出すことです。
それさえ見つけることができれば、あなたの転職活動は大きく成功に傾きます。
ここで紹介した、職務経歴書の書き方が全てではないでしょうし、応募するポジションによってはあまり当てはまらないかもしれません。
しかし、これは実際に僕が転職に成功した大きな要因であると確信しています。
参考にしていただければありがたいです。
にほんブログ村