「なるの部屋」では、転職前から転職後までのいろな分岐点について説明しています。
実は、いざ転職先が決まりそうだ、そんな間際になってから、本当の悩みが始まります。
ポジションや給与、退職金、福利厚生、と決断するうえでいくつかの重要なポイントがあります。この記事では、僕の実体験に基づいた、決断にあたって失敗しないためのポイントを紹介します。
おめでとうございます!最終面談を乗り越えることができれば、もうすぐ転職先が決まりそうですね!
そんなあなたは、きっと今、現職の条件や将来そしてこれから来るかもしれない別のチャンスを思い浮かべながら、本当にここでいいのか?と本気で悩み始めているはずです。
そんなとき、これからここで示す6つのポイントを考慮して、悔いのないように決断しましょうね。
転職を決断するポイントとタイミング
良い縁はタイミング
複数の転職エージェントとやり取りを始めても、すぐに希望通りの企業にはなかなか出会えません。
僕が懇意にしているエージェント担当者に聞いても、転職先が決まるまでに1〜2年かかる人がほとんどだそうです。
僕も、本気で探し始めて転職が確定するまでおよそ2年かかりましたから。
実際にどんなに嫌でも現職で収入があるのですから、焦らずにどっしり構えて、その間に必要なスキルや知識レベルを高めて下さい。
もし仮に内定をもらったとしても、そこでも焦らないで下さいね。
確かに、今ここで決断しないと、今後しばらく内定をもらえるチャンスに巡り合わないかも知れません。
でも、いくら魅力的な仕事であっても、今よりも悪い条件だったら、わざわざ飛び付く理由はありません。
それこそ転職の失敗と言えると思います。
良い縁はタイミングです。ある意味ギャンブルといっていいのかもしれません。
以下で示すようなポイントも参考にしながら、直感として「今しかない」と思えるなら決断しても良いのかもしれません。
ポジションと給与水準
エージェントから応募のお誘いがあったときに、基本的には断らないで全て受けるべきです。
でもポジションはだけは気にして下さい。
ポジションは現職「以上」を基準にして下さい。決して今よりも低いポジションの案件には応じないでください。
なぜなら、面談を進めてもオープンになっているポジション以上にオファーの内容が変わることが絶対にないからです。
僕も、「オーバースペック」と言われ、断られてことがあります。
企業は、あくまでそのポジションがちょうど空席になったので、オープンにするのです。
また、これは面談を受けた後に気にしなければならないことですが、現職とあまりにもかけ離れたポジション (例えば課長職からいきなりCXOとか) には十分注意してください。
あまりにも大幅なアップだと、その企業がかなり初期のスタートアップであったり、とにかく人を集めたいだけだったりする可能性があります。
もちろん、そういったチャレンジングな環境に身を置くことに、魅力を感じてトライするのは個人の自由です。
でも、いざ働き始めてたとたんすぐに事業が終わってしまう、ということもあり得ますので、日本し進出し始めた企業なら海外での実績とか、日本のベンチャーならその事業や財務諸表についてよく調べてから検討するようにしてください。
給与については、内々定前ぐらいの段階で、エージェントから現職の年収を先方に伝えても大丈夫か確認がとられます。
企業は本当にあなたにオファーをするとなれば、面接で把握したあなたの経験と資質から、現職の年収プラスアルファ分の分を提示してくると思います。
そのプラスアルファは、企業のあなたへの期待度を示しています。
エージェントといろいろ話をすると年収だけなら、10%アップなら大成功、5%アップならまずまずといった感じです。
絶対に正しいとは言えないかもしれませんが、できれば参考にしてみてください。
【タイアップ】
退職金(確定拠出、確定給付年金、その他ストックオプション)
将来にわたる総収入を考えた場合に、給与だけではなく、退職金制度もよく確認しておいた方がよいです。
なぜなら、退職金制度はかなり企業によって異なるので、現職のものも含めて本当によく調べておいた方がよいです。
退職金制度については、確定拠出、確定給付年金、加えて独自の企業退職金のどれかを用意していると思います。
しかしこれらをすべて持っていない場合もあり、結局前職の確定拠出年金を iDeCo に移行して、自分で積み立てていかなければならないといったケースもあります。
また退職金制度と呼ぶかは微妙ですが、代わりにストックオプションを提示されることもあるようです。
退職金は金額的に結構大きいので、あとで大損をしたことに気づかないように、まず現職の退職金制度を調べ、現時点でいくらもらえるのか、これからどれだけ積み立てられていくはずなのかを確認してください。
おそらく人事部の福利厚生担当者などに確認することになるでしょうけれど、聞きづらくても「将来の人生設計を家族と相談するため」など適当な理由を考えて、勇気を出して聞いてみてください。
退職金といった意味では、定年退職の年齢も考慮してください。
内資企業では60歳定年で65歳までは年次契約 (嘱託ではなくアルバイトの可能性もあり) の雇用というところがほとんどですが、外資では定年が65歳や70歳というところもあります。
年次契約と正社員では年収が大きく変わってきますし、定年が延びればその分の退職金も増えます。
特に長く働きたいという方なら、絶対に考慮すべきポイントだと思います。
福利厚生(特に健康保険)
前職で積極的に福利厚生制度を利用してこなかったので、僕的にはあまり重視していなかったのですが、転職後数か月して給与明細を愕然としました。
「毎月天引きされる健康保険料が1万円以上高い・・・」
転職を決めるとき、そこまで気は配れなかったですね。
企業によって従業員の健康保険を負担する割合が違います。こればっかりは実際に給与明細を受け取ってみないとわからないことですので、僕みたいに健康保険料が年間12万円以上も余分にかかることを想定して、年収を比較するしかないですね…。
でも、もしもあなたが良く福利厚生を利用されているなら、考慮に入れても良いと思います。
どこの福利厚生システム (WELBOXとかリロクラブとかありますよね) を採用しているのかも確認しておいても良いでしょう。
各種条件の交渉
企業から、エージェントから内定の意向・可能性があることを伺ったら、各種条件の交渉ステージに入ります。
実際にはオファーレターをもらうまでの勝負です。
事前にエージェントからオファーされる年収について連絡があるはずです。
エージェントは企業との間に入って、あなたの希望を先方に伝えながらギリギリの交渉を繰り広げます。
あなたは、ZOPAなどのフレームワークで引き出せる条件を検討してください。
ただやりすぎると、入社後の印象を悪くする可能性もあります。
期限も決められているので、今まで説明してきたような条件を参考に、その条件が妥当な範囲なのかを慎重に判断してください。
ただし基本、最初に聞いた条件から大きく変わることもありません。
【タイアップ】
オファーレターをもらったら
最終的にオファーレターをもらったら、まだサインをして入社に同意したわけではないので、最後に悔いが残らないようによく考えてください。
最終判断するにあたり、現職にとどまった場合に将来にわたって比較するとこの条件が果たして納得できるものか?この後もっと良い条件に出会うことはないのか?とさまざまなことが頭を駆け巡るでしょう。
でも、このチャンスももう二度とやって来ないのです。
もしどうしても迷うなら、現職に干渉しない信頼のおける知人、例えばもし連絡が取れるなら転職した元同僚や、退職した元上司など俯瞰的に状況を比較することができる人に相談し、現職の条件から見てこのオファーが妥当なのかを客観視してもらうとよいでしょう。
僕も、今の会社に入ることを決断するのでに、OBや元上司、友人計5人に相談しました。
(この記事は、そんな自分の悩みや相談した実経験に基づいています)
家族への相談については、賛否両論です。
僕は、オファーの内容については家族に知らせなければならないと思いますが、相談する相手ではないと思います。
なぜなら、家計をともにするので、その条件を客観視できないからです。
ただし僕は、それでも家族に意見を聞かなきゃ、と考える方を否定はしません。
家族との関係性は人それぞれですから。
もし辞職を違法に慰留を強要されたら
職業の自由は憲法で保証された権利です。
もしあなたが、現職で必要な人材ならある程度の慰留は仕方がない思います。
しかし、約束された退職金を通常ではあり得ないぐらいに減らされるなど、嫌がらせを匂わされたら法的手段に訴える必要があります。
その際は「退職ナビ:檻の中のライオン」が参考になります。ぜひ参考にしてみてください。
最後に
あまり科学的ではないかもしれませんが、これは神様からいただいたご縁なのです。
客観的に見て人生のプラスになると考えるなら、自分が生まれ変わるチャンスと考え、思い切って決断してもよいかもしれません。
いずれにしても、すべての責任をもって最後に決めるのはあなた自身です。
もし失敗したと感じても、責任転嫁はしないようにしましょうね。
そして・・・
いざ決断し、サインしたオファーレターを送ったら、感謝の意をエージェント、相談した知人、家族へ素直に届けてくださいね。
幸運とご活躍をお祈りしてます。
【タイアップ】