「なるの部屋」では、エージェントと協力しながら転職を成功させるための、さまざまなポイントを紹介しています。
この記事では、特に転職のステップとして非常に重要な、転職エージェントとの付き合い方や、CV (職務経歴書) の書き方、そして採用面接で想定される質問など、内定を勝ち取るまでを説明していきます!
はじめに
皆さん転職エージェントに登録できましたか?
初期登録後の転職エージェントとのおつきあいは、これから長く続きます。
タイムラインに前後することがありますが、どの会社もおおよそ以下のステップになると思います。
- 初期面談
- CV (職務経歴書:Curriculum Vitae) の作成・提出
- 応募案件紹介・応募
- 面接の打ち合わせ・準備~当日
- 内定連絡と条件交渉
上の3~5は、結構無限に繰り返すことになるので、一番しんどいのですが、それも内定を勝ち取るためのドリル練習だと思って頑張ってください。
転職エージェントと歩む転職までのプロセス
初期面談
エージェントへサイトから登録が終わると、まずメールや電話番で担当者から面談のお誘いがくるはずです。
ご自宅や勤務先にエージェントのオフィスがある場合は直接伺うこともあり得ますが、コロナであらゆることがリモートとなった今では、電話もしくはTeamsやZoomなどを使ったWeb面談が多いと思います。担当者もリモートワークしていることが多いみたいです。
応募者の皆さんが現職を持たれていることが多いので、エージェントはその都合に合わせて、お昼ごろから夜9時ぐらいまで対応してくださるところが多いようです。
その過程で、前の記事にも記載しましたが、是非自分をさらけ出して、なぜ転職を希望するのか、何ができるのか、どういう姿になりたいのか、などなど率直に色々伝えてみてください。
担当者の方は、客観的にみたあなたの目指すべき姿を、あなたと一緒に整理していくことになると思います。
面白いことに、外資企業専門のエージェントによっては、英語のネーティブスピーカーの担当者が付く場合もあります。
その際は、英会話レッスンと思って頑張ってみてください。
(僕も、とあるエージェントで外国人の方が担当になってびっくりしたことがあります)
とにかく、やり取りするなかで信頼関係ができたエージェントを中心に、あなたから積極的にいろんな質問をしてみてください。
そうすると、担当者の方も特にあなたのことを気にかけてくれます。
でも正直、すぐに転職まで結びつくことはありません。
実際、僕も十社以上面接を受けて、オファーレター (内定) をもらうまでに、最初の登録から2年ぐらいかかりましたから。
焦らずに、胸を張ってアピールできるように現職で実績を積みながら、チャンスを待ち構えておいてください。
CV の作成・提出
日本では就職の際に、ご自身の学歴や職歴を通常「履歴書」なるものが使用されることが多いと思います。ところが、転職の際には「CV(職務経歴書:Curriculum Vitae)」が優先的に利用されます。
ここで、これまでどの企業でどのようなポジションで働いてきたのか、どのような実績を積んできたのか、そして何が自身の長所なのかをアピールし、応募する企業のポジションにどれだけ合致するのか、また求めている職務・責任に対し期待できるような能力があるのかが評価されます。
つまりこのCVに記載したことが、応募したい企業に興味を持っていただいて面接の機会を勝ち取ることができるのかに大きく左右するのです。これが一つ目の大きな関所です。
CVはだいたいどこのエージェントも独自のフォームを持っているので、それをもらって作成してください。内容は少しずつ違うのですが、大まかな項目は
- 応募者
- 職務概要
- 職務内容
- 資格・技能
です。
今では、昔むかし僕が若きし頃に作成した職務経歴書とはちょっとフォームが違うようで (もっと長々としたものでした)、グローバルで使っているようなCVをそのまま和訳しているようです。
かなりシンプルですので、長文は印象を悪くすると思います。
あと非常に大事なのは、守秘義務からと言って安心して、所属していた会社の機密情報やインサイダー情報をここに記載しては絶対ダメです。
ハイアリング (つまり応募者を選択する責任者) は当然、似通った業界の募集部署の管理職あるいは人事部担当なので、これらに該当するかどうかは察しがつきます。
果たして記載してよいことかどうかを慎重に検討して、ここで信頼を失わないようにしてくださいね。
では、以下記載にあたってのポイントです!
応募者のプロフィール
氏名、生年月日、現住所、そして言語能力を記載する場合あります。
職務概要
これまでの職務経歴と責任範囲について、また自身の専門性などを簡潔にサマライズします。
でも、長々と書いてはいけません。
ピラミッド構造で分かりやすく、
①これまでの職責と経験をまず並列に並べ、
そこから得られた②自分の専門性と③内面的な長所を端的に「総括」し、
5~6行以内でまとめてください。
何回も見直して、できれば家族や信頼できる友人にも読んでもらって、ちゃんと伝わるか確かめてみるとよいでしょう。
例えば、
私は〇に入社して以来、
①△部にて〇を担当、▼部で●をに従事、■異動しマネジャーに昇格、◆名の指導・管理
②▼部における●プロジェクトをリードした経験から□という専門性を身に着け
③持ち前の粘り強さでプロジェクトを達成し業績に貢献
といった感じで、帰納法や演繹法を意識して、論理的な構成を考えてみてください。
きっと説得力を高められると思います。
何せ、CVの 第一印象を決める部分ですから、ここで簡潔に分かりやすくアピールしてください。
職務内容
社会人になってから所属した企業等と所属部署、担当業務、業績を時系列(年月も記載)で説明します。
担当業務と業績は箇条書きでアピールすべきことを絞って記載してください。
「主だった業績が書けないから」と何でもかんでも書いてはいけません。
面接者はこれを見ながら、皆さんがお話しする内容と見比べますので、ここに書いた経歴のストーリーを説明できるものに絞るようにした方がよいです。
(ちゃんとそこで、CVの信ぴょう性がみられます。)
〇株式会社 〇部 (20xx年 x月~20xY年 Y月)
担当業務
・ ▼製品のマーケティング
・ 新製品△における事業開発
業績
・ ▲プロジェクトをリーダーとして◇を導入
・ ◇社と製品◇におけるアライアンスを確立
という内容を簡潔に記載するようにしてください。
資格・技能
これまでに取得・保持している資格、ITスキルで特出すべき能力 (Phythonプログラミング、HTLMコーディングなど)、TOEICテスト等の英語検定スコアなどを箇条書きで記載してください。
こうして、いざCVを作成していくと気づかされますよね…。
転職するには、現職で頑張って実績を作らなきゃ・・・って
そうです。転職はイヤだからって、決して現職をおろそかにしちゃダメ。
転職成功の秘訣は、現職を頑張ることなんです。
遅くはありません。将来の自分のため、今からでも外の会社からも評価してもらえる仕事はなにか考えながら
実績を積み上げてください。
同時に現職での評価も高くなるでしょう!!
こうして作成したCVはエージェントを介して会社 (クライアント) に応募する際に、エージェントからクライアントに共有されます。
マメに見直して、適宜アップデートしてくださいね。
応募案件紹介・応募
エージェントは常に企業がオープンしたポジションに関する情報をあらゆる手段で取りに行っています。
その中で、あなたの経歴や希望を鑑みて、条件に当てはまりそうな案件をあなたに連絡してきます。
あなたがもし、その会社に少しでも興味があるのなら、条件が完全にに合わなかったとしても、あまり気にせずとにかく応募の意図を示してください。
最初から採用を勝ち取ることはあまりないと思います。
とにかく面接に慣れること、そして本当の意味で企業が求めているものは何か、自分の市場価値を確認するために場数を踏むことが非常に重要だと思います。
面接の打ち合わせ・準備~当日
おめでとうございます!応募した会社があなたに興味を持ってくれました。
エージェントから、面接の日程がアレンジされます。
現職に気づかれないように、現在の仕事をおろそかにしないように、あなたの都合を検討してください。
同時に会社から先に、利益相反 (COI) つまりその会社の顧客や公務員との私的関係の有無を確認する書類、コンプライアンス書類確認、個人情報の取り扱いに関する同意書の提出を求められたり、Web試験 (適正試験など) を事前に受けるよう要請されたりすることがあります。
今は、恐らく初回面談はすべてWeb会議システム (Zoom やTeams) で行われると思います。
リモートワークしていない方なら、逆に面接の時間と場所の確保に苦労するかもしれませんね…。
そして日時が確定してエージェントからメールでWeb会議のインビテーション/リンクが送られてきたらいよいよ準備にとりかかります。
相手がグローバル企業だったら、一次面接を通過した後、次はAPAC (アジア、インド、オーストラリア&ニュージーランドの一帯) の面接官とのインタビュー、場合によってはいきなりAPACオフィスとのインタビュー、っということもあります。
でも、ちょっとだけ安心してください。
エージェントは状況を察知して、サポートしてくれます。
要望すれば、ネイティブのスタッフを使って、模擬練習にも付き合ってくれることが多いです。
日本語にしろ英語にしろ、想定問答集を用意してしっかり準備してください。
新卒採用とは違っていて、転職はCVと面接だけで採用の是非が判断されます。
採用面接で想定される質問
もちろん、企業によって面接の内容は大きく異なるのですが、最低でも以下のような問題に対する応答を準備しておく方が良いでしょう。
- これまでの経歴を説明してください
- そのなかで特に苦労した点は何でしょうか?またそのために工夫したことは何でしょうか?
- あなたの強みと弱みは何でしょうか?
- 当社を希望した理由は何でしょうか?
- そんなに実績があるのに、なぜ離職することを決意したのでしょうか?
- 当社に対して何か質問や要望はありますか?
これらの問答集をテキストで書いてみて、エージェントに共有して添削してもらってください。
エージェントからも企業固有のQ&Aについて、アドバイスがあるかもしれません。
それでは、それぞれの質問に対する回答の大事なことをお伝えしますね。
おそらく、どの段階の面接でもこの質問をされます。
面接ごとに企業の面接者が変わっていくのですが、やはり一番最初にこれを説明しければなりません。
CVの内容が大事だって言っていたのはこのためで、CVにある内容を頭に叩き込んでおき、
アピールしたいトピックを添えて、すらすらと簡潔にわかりやすく説明できるようにしてください。
2分間以内で説明しきるのが大事です。
ここでは、あなたの問題解決能力や困難への向き合い方が問われます。
説明した経歴のなかで、特にアピールしておきたい実績において達成うえで行った努力を、またそのために工夫したことを具体的に説明できるようにしておいてください。
話を作ったり盛ったりするのは厳禁です。ご自身の経験を振り返って、どんなトピックや試練があったのかをよく思い出して、すらすら説明できるようにしておいてください。
ここでは、あなた自身の自己認識力が問われています。
自分のこと客観的を見て、積極的なのか、熟考型なのか、周囲からの信頼度はどうなのか、を常日ごろから考えてみてください。
そしてそれが、どんな成果に結びついたのかも併せて説明できるようにしておいてください。
一方、短所についても、これまでの失敗や現在自己学習中のことなどと結び付けて、改善しなければならない点や学習中のことを具体的に話すようにしてください。
もしかすると現職や前職で、自己啓発研修を受けたり、360度評価を受けた方もいると思います。
そこで得られた評価を参考にしたり、その研修などで評価を受けたことを皮切りに客観的なことを説明してもよいと思います。
ちゃんと応募する会社のことを調べているのかが問われます。
その会社のことをホームページ等でご自身で確認したり、その業界のことをよく調べておいてください。
投資家向けのアニュアルレポートがあると思いますので、それも入手して読み込んでおいてください。
主力製品/サービス、新製品/新サービス、財務諸表、そして競合相手なども。
大事なのは、その会社がどのようなミッションを掲げているかで、これもよく覚えておき分とどれだけ重なるのかを説明できるようにしておいてください。
ご自身が、どのような姿になりたいか?どんな仕事に従事したいか?どんな業界で働きたいか?明確にしておいて、なぜそう思うのかも併せて説明できるようになると、各段に説得力が上がります。
そして、応募する会社が自分の希望にどれだけ合致するかを主張できるように
しっかりストーリーを組み立てましょう。
ここで、正直ベースで現職の不満を主張するのは大NGです。今まで説明したことが全部「水の泡」。
結構つらい質問ですが、嘘をつくのも良くありません。
ならば不満を「ポジティブ」に言い換えてください。
全然よいポジションや業務が割り当てられない
→自分はこうなりたいが、それには現状のままではそのチャンスが少ないので、外の会社も含め広く探すことにした。
→もっとこういう仕事を獲得できないか興味が沸いてきて、いてもたってもいられなくなった。
実績があっても、なかなか評価してくれない、給料も上がらない
→自分の経験を現職のためだけでなく、もっと社会に還元するべきではなかと考えるようになった。
→今の環境よりも、自分の能力を発揮できて、さらに正当に評価してくれる場所があれば、是非チャレンジしてみたいと思った。
などなど、ものは言いようです。
僕の場合は、役職定年が近く、ポジションも給与もダダ下がりなのが見えていたのですが
→この年になり、役職定年も見えてきたのですが、まだまだ自分は成長できると信じているし、活躍したいと思っています。それであれば、もし外にそのチャンスがあるのであれば、是非チャレンジしてみたいと思いました。
ってな感じで話しました。でも、今も本気でそう思っています。
本心でないと、相手の心は動かせません!
面接の最後に、必ずっと言っていいほどこの質問をされます。
ここで絶対に給与のことや、福利厚生、退職金のことを持ち出してはいけません。それはエージェントの交渉ごとです。
今は堪えて、
事前調査で調べてわからなかった会社や業界のこと、社内文化やミッションの社内浸透状況、など通常では表には出てこない社内情報を引き出して、自分が興味があるんだということを示してください。
そしてここで、
「何か困っていることはないですか?もしかすると、自分が貢献できることがあるかも知れません。」
と、問いかけるとよいでしょう。
僕の経験からも、本当に率直にお話してくださることが多く、そこから一番話が盛り上がったりします。
最後にこの質問をすることで、面接官の方と打ち解けて、きっと良い印象を持たれると思いますよ。
面接後は、できるだけ早いタイミングでエージェントに連絡してあげてください。
率直な感想や、うまくいったこと、いかなかったこと、いろいろ共有することでエージェントとの関係性も良くなり、今回はダメでも次につながります。
グローバル面接
【タイアップ】
【タイアップ】
もし、次の面接に進めなくても、エージェントを介して応募企業から理由とフィードバックをもらえます。
エージェントと反省会です。決して落ち込まず、何を改善していくべきなのかをじっくり話し合って、次のチャンスに活かしてくださいね!
内定連絡と条件交渉
グローバル(Webが当たり前、グローバルならAPAC英語面談)
おめでとうございます! エージェントから採用意向の連絡がありました。
いざ、事前の採用意向の連絡があった場合、条件交渉に入ります。会社によってオファーレターがいきなり送られてくることもあると思います。
ここがエージェントの腕の見せどころ。
応募企業との間に入って、給与や場合によってはポジションの交渉に入ります。
ただ、この時点でもあなたは直接応募企業とお話しすることはできません。
ここで、提示する条件をよくエージェントと話し合ってください。
欲張りすぎてもいけませんし、軽く考えてもいけません。
また別の記事でも書きますが、BATNA (バトナ) やZOPA (ゾーパ) のフレームワークを使って、何を妥協できるのか/できないのかを、明確にしてください。
給与面では年収1割アップなら万々歳だと思います。
その他退職金、年金制度も完全には教えてもらえないこともありますが、確認できることはしっかり確認してみてください。
だいたいの条件が定まったら先方からエージェントを通じて、正式に採用通知書 (オファーレター) があなたに届きます。
最後に期限ぎりぎりまで、相談できる方には相談して、完全に納得したうえでサインしてください。
多くの場合、オファーレターにサインしたものをPDFにしたものをエージェントにメールに添付送ってOKです。
お疲れ様でした。
以上が、エージェントを利用したおおよその転職プロセスです。
どれだけ、エージェントが大事かわかりましたよね?
ですから、数多くのエージェントに登録して、その中からこのようなプロセスで長く繰り返しお付き合いできるエージェントを選ぶことはすごく大事なんです。
こちらの記事が皆さんのお役に立つことを願っています。
それでは、Good Luck !
【タイアップ】